【それでも副業したい人へ】副業禁止のままの就業規則への対処法 | 会社員の副業禁止をなくすブログ

【それでも副業したい人へ】副業禁止のままの就業規則への対処法

fukugyo-006-title

  • 就業規則ってどこまで効力があるの?
  • 副業したいけど副業禁止なのでできません……
  • 就業規則って変えることができるの?

けんにー

こんな悩みを解決できる記事を書きました!

実は、この記事で紹介する『副業禁止のままの就業規則への対処法』を実践すると、だれでも副業ができる環境を手に入れることができます。

実際に、ぼくはこのなかの一つの方法で会社と交渉し副業をOKにしてもらった経験があります。

この記事では、副業禁止のままの就業規則を変えていく方法と変わらないと判断したときの対処法をご紹介します。

この記事を読んでいただくと、副業禁止でもなんとかなる!と思っていただけます。

就業規則とは

そもそも就業規則とは?

職場のルールを明確にして、労使間のトラブルを防ぐための規定集です。

  • 就業規則は会社がつくるもの
  • 労働者が守るべきルールと労働条件を定める
  • 常時10人以上の労働者を使用する使用者は作成の義務がある
  • 労働者の意見を聞かずに作ったり変更したりできない

就業規則は、法令や労働協約に反してはなりません。(労働基準法第92条)
引用:厚生労働省

つまり、就業規則はあくまでも会社が独自でつくるローカルルールです。

憲法や法律との関係

・憲法

憲法第22条1項において、職業選択の自由が保障されています。

会社が就業時間以外まで労働者を拘束する権利はないのは当然で、会社は一方的に副業を禁止することはできません。

むしろ、合理性を欠いた副業禁止の方が禁止といえます。

・法律

副業を規定するような法律はありませんが、労働時間管理については労働基準法に関わってきます。

労働基準法第 38 条第1項
「労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用 については通算する。」

詳しくはこちらの資料をご覧ください。

参考:副業・兼業の場合における労働時間管理の解釈通達(厚生労働省)

この時間管理が重荷で副業を解禁できない会社も多いです。

なぜなら、時間管理が面倒で、労災などのリスクも増えるからです。

一方、自営型や請負型の副業(個人事業主型)は会社に時間管理の必要がありません。

なので、先に個人事業主型の副業をOKにする会社が増えています。

副業禁止は違法?懲戒処分は妥当?詳しく説明した記事です。
>>【副業禁止の方が違法?】最悪バレてもそこまでヤバくない理由

副業が容認されるようになった背景

2021年パーソル総合研究所の調査結果です。

条件付きを含めると企業における正社員の副業容認率は55.0%、2018年より3.8pt上昇しました。

引用:「第二回 副業の実態・意識に関する定量調査」(パーソル総合研究所)

副業が容認されてるようになった背景は次の3つです。

  • 国が推進
  • 給料が増えない
  • 新型コロナウイルス

それぞれ詳しく見ていきます。

国が推進

国は働き方改革の一つとして副業を推進しています。

その理由は、以下の3つです。

  • 多様な働き方→子育てや介護との両立できる
  • 副業でスキルアップ→自立したキャリア形成ができる
  • 企業にもメリット→イノベーションが期待できる

実際に、就業規則の雛形と言える「モデル就業規則」で2018年に副業を容認する表現に改定されました。

具体的には「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」を削除した上で、「労働者は勤務時間外において他の会社等の業務に従事することができる」となりました。

参考:モデル就業規則(厚生労働省)

給料が増えない

マイナビの調査(2022年2月実施)によると、副業をする一番の理由は「収入を増やすため」です。

副業を希望する理由

出典:マイナビニュース

その背景には、先進国で唯一日本だけが30年間年収が上がっていないことがあげられます。

日本人の年収が増えていないグラフ

出典:NHK

主な理由は、企業に成長力や生産性向上の意識が低いのに、終身雇用を維持しようとしたためです。

ぼくも働きだして20年以上になりますが、会社や業界、さらには日本経済が成長していると感じたことは一度もありません。

というわけで、給料が上がらないことを理由に副業をはじめる人はどんどん増えるでしょう。

新型コロナウイルス

副業を容認するスピードが加速した最大の要因はコロナウイルスです。

なぜなら、テレワークやオンラインでの仕事が増えたおかげで、通勤時間が減ったり、無駄な飲み会がなくなり、会社員が使える時間が増えたからです。

実際に、クラウンコンサルティング株式会社の調査によると、「91.8%の会社員がコロナ禍で「副業意欲」が向上した」とのことです。

引用:コロナ禍における「副業」に関する意識調査(クラウンコンサルティング株式会社)

副業禁止はヤバい!国のガイドラインにも書いている

副業に関する国のガイドライン(平成30年1月策定、令和2年9月改定)には、はっきりと副業を認めていくべきと書かれています。

引用:副業・兼業の促進に関するガイドライン(厚生労働省)

裁判例を踏まえれば、原則、副業・兼業を認める方向とすることが適当である。 副業・兼業を禁止、一律許可制にしている企業は、副業・兼業が自社での業務に 支障をもたらすものかどうかを今一度精査したうえで、そのような事情がなけれ ば、労働時間以外の時間については、労働者の希望に応じて、原則、副業・兼業 を認める方向で検討することが求められる。

参考:副業・兼業の促進に関するガイドライン(厚生労働省)

なので、副業を禁止、一律許可制にしている会社は就業規則の見直しが必要です。

なぜなら、裁判になったとき合理性がないことになり、会社側に不利な判決が出る可能性もあるからです。

要するに昔のままの就業規則だと、時代遅れの会社になってしまうということです。

副業OKの企業一覧と副業ができるかどうか事前に調べる方法を解説した記事です。
>>【副業禁止のままで大丈夫?】副業解禁した企業一覧と探し方

就業規則を守らず副業して懲戒処分になるケース

就業規則を守らず副業をした場合、ほとんどは口頭での注意レベルであることが多いようです。

ただし、公務員は別です。

国家公務員法や地方公務員法で原則副業が禁止されていて、懲戒処分の事例もたくさんあります。

ただ、民間企業でも以下のケースでは重い懲戒処分を下されることがあります。

  • 会社に営業的な損害を与える場合
  • 会社の名誉を傷つけた場合

それぞれ詳しく見ていきます。

会社に損害を与えた場合

競業の会社で働いたり、本来会社のクライアントだったところから個人(副業)で仕事を受けてしまうと、損害賠償を求められる可能性があります。

理由は、会社が本来得られていたはずの利益がなくなるからです。

一般的に副業がOKでも、会社の競合関係にならない「競業避止義務」を負っていると考えないといけません。

というわけで、同業での副業や顧客が被る市場での副業は避けておきましょう。

会社の名誉を傷つけた場合

会社の機密情報を漏らしたり、副業で法を犯したりすると本業で勤める会社の信用も落とすことになるので、重い懲戒処分を受ける可能性があります。

なぜなら、会社が一度信用を失うと長期にわたって営業活動や採用活動に影響するからです。

たとえば、副業を同業や近い業界でやっていると、ついつい機密情報を漏らしてしまうケースがあります。

なので、副業は本業で得たスキルを活用しつつ、全く違う業界やカテゴリーでやることをおすすめします。

理想的な本業と副業の関係(例)

  • 人事経験が長い→転職関係のブログ運営
  • 経理経験があってお金に強い→仮想通貨投資のYouTube運営
  • 対人営業スキルが高い→セールスライター

繰り返しになりますが、会社に迷惑をかける副業はやめましょう。

就業規則は変えることができるが……時間がかかる

普通に会社員をしているとなかなか想像ができないですが、実は就業規則を変えることはそんなに難しいことではありません。

なぜなら、あくまでも会社が勝手につくる規定集だからです。

実際にぼくも、給料について知らない間に会社に都合がいいように変わっていた経験があります。(ちゃんと周知はしていたと思いますが、後で知るパターンです)

就業規則を変えるときの正式な手続きは以下の3ステップです。

  • 1.就業規則変更案を作成する
  • 2.従業員代表者に意見を聴く
  • 3.就業規則変更届の提出をする

それぞれ詳しく見ていきます。

就業規則変更案を作成する

人事部などで取りまとめて変更案を作ります。

変更内容に各種労働法規の違反がないかのチェックも行います。

問題がなければ、取締役会などで経営陣の承認を得ます。

従業員代表者に意見を聴く

従業員代表者に意見を聴いて「意見書」を作ります。

代表者ってだれ?

  • 従業員の過半数で構成されている労働組合があれば労働組合
  • 労働組合がなければ過半数を代表する従業員
  • 会社が指定した人は代表者になれない

意見聴取後、その内容を「意見書」にまとめ、合意の証として代表者の署名・捺印を得ます。

副業の意見書

出典:東京労働局

もちろん、意見なので会社の提案に反対することもできます。

かといって変更内容が合法であれば、無効になることもありません。

あくまでも、プロセスとして従業員の声を聴くことが必要ということです。

就業規則変更届の提出をする

就業規則変更届を作成し、所轄の労働基準監督署に「意見書」とともに提出します。

就業規則変更届

出典:東京労働局

そのあと社内周知を行います。

手続きはかんたんなのですが、内容によっては労使間の交渉もあるため時間はかかります。

仮に副業解禁を労働者側の方から求めるのであれば、3ヶ月から半年はかかると覚悟しておきましょう。

実際にぼくのケースでも半年かかりました。

効率よく就業規則を変えて副業OKにする方法

堂々と副業をしたいなら、副業規則を無視するわけにはいきません。

就業規則を変えて副業OKをかなえる方法を3ステップで紹介します。

実際にぼくが経験したことを元にしていますので再現性はあるはずです。

  • 1.複数人で交渉(あるなら組合で)
  • 2.個人事業主型の副業にしぼる
  • 3.会社のメリットを伝える

それぞれ詳しく見ていきます。

1.複数人で交渉(あるなら組合で)

1人で交渉するより複数人で交渉した方が効果的です。

なぜなら、日本の会社は平等性を重んじるからです。

なので、個人のわがままを受け入れてもらうとするとハードルがあります。

組合があるなら、若手で集まって収入アップだけでなく、スキルアップができる点を強調した戦略を立てましょう。

若い従業員らが提案を聞こうともしない会社に未来はありません!

2.個人事業主型の副業にしぼる

解禁してもらう副業を自営や業務を請負う個人事業主型の副業に絞りましょう。

なぜなら、雇用型の副業は時間管理が面倒で会社が嫌がるからです。

実際にマイナビの調査によると、やってみたい副業の上位にくるものはすべて雇用関係のない個人事業主型の副業でした。

    やってみたい副業は?

  • ネットで商品販売
  • Uber Eats
  • YouTuber
  • アフィリエイト
  • 株式投資
  • ポイ活
  • 農業

引用:マイナビニュース

つまり、会社側も雇用型の副業は認めたくないし、労働者側は個人事業主型の副業をやりたがっています。

というわけで、交渉では個人事業主型の副業に絞りましょう。

3.会社のメリットを伝える

副業が会社にもメリットがあることを伝えましょう。

理由は、収益をあげること、生産性をあげることには聞く耳を持つからです。

実際に、ぼくもしっかり会社のメリットを伝えました。

具体的には、以下のようなメリットがあります。

  • 従業員が勝手にスキルアップしてくれる
  • 自己実現ができるので離職が減る
  • 前向きな会社のイメージができて採用に強くなる

大切なのは、副業を解禁することで会社にもメリットが大きい点をしっかり説明することです。

就業規則が変わりそうにない会社ならどうする?

今どき就業規則で副業を禁止にしつづける会社に未来はありません。

とはいえ、どうにもなりそうにない場合は、次の2つの行動をおすすめします。

  • バレないように副業する
  • 転職する

それぞれ詳しく見ていきます。

バレないように副業する

雇用契約がなくネットでできる副業ならほとんどバレるリスクはありません。

なぜなら、匿名でできるし、顔バレすることがないからです。

たとえば、ブログやYouTubeの運営、ランサーズなどクラウドソーシングでの業務請負などがあります。

一番のおすすめはブログです。

副業禁止の会社でブログをやる方法を解説した記事がこちらです。
>>【断言】副業禁止でもブログはできる!今すぐやるべき5つの理由

YouTubeもおすすめです。

YouTubeを会社にバレずにやる方法をまとめた記事がこちらです。
>>副業禁止でもYouTubeはできる!最悪バレても大丈夫な方法

もちろん、注意も必要です。

特に注意が必要なのは次の2つです。

  • 確定申告のときに住民税の納付方法を「自分でする」を選択する
  • 同僚や取引先などの関係者に副業のことをしゃべらない

こちらの記事で副業禁止の会社で副業やるときの注意点をまとめています。
>>【抜け道あり】副業が禁止でもできる副業のやり方と3つの注意点

というわけで、副業禁止でもやれる副業はあります!チャレンジしましょう。

副業禁止だから投資はできないと勘違いしている人向けの記事です。
>>【まだやってないの?】副業禁止でも投資はOK!儲け以外のメリットも

転職する

どうにもならないと思ったら転職を視野に入れましょう。

なぜなら、副業を就業規則で禁止しつづける会社には伸びしろがないからです。

もう少し噛み砕くと、副業を解禁しないということは、この先に副業人材を受け入れることもないはずです。

つまり、社内の人材だけでやりくりしようとしていて、成長のためのイノベーションを起こす気がないからです。

もちろん、いきなり転職するのはさすがに早いと思う人も多いはず。

そんな人には、オンラインで気になる会社の人に直接聞いてみることをおすすめします。

なぜなら、副業できるかどうかを事前に会社のHPなどで知ることは難しいからです。

実際にぼくが使っている社会人向けのオンラインサービスは次の2つです。

転職前提で相手の会社のホンネの話を聞くならキャリーナをおすすめします。

話を聞ける企業例です。

キャリーナ登録企業
(出典)キャリーナ公式サイト

無料登録すれば、1000社以上の企業にいる人のプロフィールやキャリアを見ることができます。

プロフィールを見るだけでも楽しいですよ!

【無料】気になる社会人にキャリア相談ができる「キャリーナ」を徹底解説しています。
>>キャリーナ(旧称CREEDO)の使い方と感想【オンライン社員訪問サービス】

繰り返しにはなりますが、副業禁止のままの就業規則がつづくなら、転職を視野に入れて行動しましょう。

まとめ

上記で紹介した『副業禁止のままの就業規則への対処法』を知っていただけると、いずれにしても副業はできる!と思ってもらえます。

最後にもう一度まとめます。

副業禁止のままの就業規則への対処法
  • 就業規則は変えることができるが……時間がかかる
  • 民間会社では副業が原因で懲戒処分になるのは稀なこと
  • ブログやクラウドソーシングなど個人事業主型の副業をやろう
  • 副業禁止がつづくなら転職の準備をはじめよう

ただし、会社に損害を与えないこと、会社の名誉を毀損しないことは大前提です。

副業で得たスキルやネットワークを会社に還元していくことも大事です。

たとえば、ぼくの経験です。

ブログ運営→ライティングとマーケティングスキルアップ→企画書やセールスレターの出来がよくなり営業成績も上がる、といった感じです。

どうしても今の会社では副業ができないと思う場合、社会人がキャリア相談できるオンラインサービスをおすすめします。

気になる会社で副業ができるかどうか、実際に働いている人に聞くことができます。

【無料】気になる社会人にキャリア相談ができる「キャリーナ」を徹底解説しています。
>>キャリーナ(旧称CREEDO)の使い方と感想【オンライン社員訪問サービス】

憲法で副業は認められ、副業を禁止する法律もありません。

就業規則は単なる会社が作る規定集です。

多くは昔からアップデートされず、今に至っています。

副業禁止の就業規則が変えられない会社に未来はありません。

会社に見切りをつける判断材料の一つにするくらいの気持ちでいきましょう!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA